終わった…。
それ町最終回。
放送開始時からの予想どおり、歩鳥が天国に行く話で終わったな。
だってそれ以外に、最終回らしいものがないものな。
それ町の原作はかなり面白い。一見日常系にも見えるが、ギャグ漫画である。それも、まさるさんから始まるシュールギャグの系譜ではなく、計算されつくしたギャグ。ある意味、ミステリー小説を読んで謎解きをしているかのような、オチ、トリックとリリック。漫画を読んでいるにも関わらず、漫画らしい流動感、動きというものはない。それゆえに感じたのは、映像作品になったときに生まれる時間という要素。漫画の場合(小説も同様に)、シーンの続く時間は、読者の読むスピードに大きく依る。しかしアニメの場合、視聴者が見ていようがなかろうが、映像の能力に長けていようがなかろうが、関係なく間合いは一定である。ゆえに、完全に個人の求める最適スピードに合わせることはできない。それによって、テンポが早過ぎる作品では理解が追い付かない可能性がある。またもう一つの問題点として、漫画は文字を含んでいるということである。漫画を読むときは絵と文字を同時に見る。正確に言うなら、紙に印刷されたインクを、最初に文字と絵に分類してから認識するため、オチの理解がしやすいのです。もっとも、文字を先に読むか絵を先に見るかは人それぞれですが。しかし、アニメにおいては文字表現は一切使われません。普通はそうなのです。シャフトは絶望先生始め記号化に余念がありませんでしたし、映像化不可能と言われていた化物語をそれを逆手にとってアニメ化したという経歴がありますが、それ町に関しては尾石がいないので、文字化はほとんど行われていません。監督も新房じゃないですしね。正確には新房ですが。話を戻しますと、文字表現がないアニメではリリックによるオチは伝わりにくいので、視聴者がオチを理解するためのタイムラグというものが少なくとも必要になります。もちろん、絶対的に正確な時間間隔があるわけではありませんが、なるべく多くの人に理解してもらえるように最適化を行わなければならないのです。そういうことをしなければ、それは原作を知っている人にしか楽しめない残念なアニメになってしまいます。実際そういう風に開き直っているように見える作品もありますが、それは自己満足ですね。その間。ギャグの間というのが、それ町のアニメ化には重要なきがしていたのですが、今一つ上手くいってません。自分だけの感覚なのかもしれませんが、間合いがちょっと長かったり短かったりします。具体的に言うと面倒なので省きますが私は自分の中にあったテンポの店舗とアニメのテンポがいまひとつ一致しないわけです。そこをもうすこし、改善してほしいと思っていました。
歩鳥が死ぬ話は原作でも結構力が入っていて、最初とオチこそギャグっぽいものの、内容はひどく哲学的です。作者のあとがきにも「死についてかんがえてみた」なんてことが書いてありましたし(たしか)、それ以降のそれ町の展開にも大きく影響します。人間は死んだらどのようなことが起こるのか。その人の知り合いはどのような気持ちになるのだろうかという事を描いていました。
特にこれといった主張はないのですが、アニメ化にあたって多くの演出が追加されました。特に感じ入ってしまったのは森秋先生が、歩鳥の答案を見て、星のところに涙を落とすシーン。これは映像でなければできない演出であるし、非常にいい間合いをもって涙を落としている。もっとも、個人的には涙を流す顔を見せるのは演出力がないと評価が下がるので、印象が良くなかったのですが。たけるが泣き出した時点でかなりやばかったのですが、森秋先生のところで完全に涙腺崩壊してしまいました。久しぶりに泣いた。よかったです。
ゼリー島アニメ化おめでとうございますwww
総合的な感想。
それ町は原作ファンだったので期待していましたが、上記に述べた間合いの理由により、あまり評価は高くありませんでした。しかしオリジナルストーリーは結構気に入っています。また、それ町はすべて白黒なのでそれに色がついたことにより、無機的で特徴(色の)のなかったそれ町の世界観が、一変しやわらかい感じになっていたのがとてもよかったです。まぁこれからもシャフトのスタッフには頑張ってもらいたい。
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